近年、印刷工場における自然環境への負荷軽減や現場の作業における環境改善、安心・安全が求められています。そこで佐川印刷の印刷工場で行っている環境負荷削減への取組みを紹介します。
平成20年1月11日、佐川印刷(松山工場)はE3PAが定めた認証ステータス登録基準を満たし、ゴールドプラスを取得いたしました。本認証を取得したことにより、当社で製版・印刷に使用している資材・材料・技術が環境にやさしいことを証明するクリオネマークを使用できるようになりました。
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■クリオネマーク ゴールドプラス取得の為の6条件
以上6 項目の達成度により「シルバー」「ゴールド」「ゴールドプラス」の3段階の認証ステータスが設定されています。 |
ケミカルレスCTP プレートとは、アルカリ現像液による現像工程をなくした刷版のことです。現像機処理が不要になるので、処理機の運転によるCO₂ の排出も削減できます。 |
印刷の工程に必要な「湿し水」に、揮発性の有機化合物であるVOC が含まれたIPA(イソプロピルアルコール)を使用しない印刷方式です。 IPA は人体への影響や環境問題、引火性などの問題があり、これを使用せず、ノンアルコールで印刷することが求められています。また、IPA の代わりに添加される鉱物油由来のアルコール類も使用していません。こうしたノンアルコール印刷では、印刷機のメンテナンスや湿し水・印刷の管理が高度になりますが、環境保護印刷を実現するために、私たちは努力を惜しみません。 |
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【参考:その他のインキについて】
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印刷時に必要な湿し水が、廃棄不要型湿し水ろ過装置で再生することで、廃棄物が発生しません。化学薬品の低減や水の削減に貢献しています。 引火点60℃以上のローラー/ブランケット洗浄剤を使用し、VOCの発生や環境負荷の低減をはかりました。また、作業者の健康・安全面にも配慮し、人体に有害な有機溶剤に関するPRTR 法※1 と安衛法有機則※2 に該当しないこと、芳香族成分の含有率が1%未満(アロマフリー)であることを満たしています。 ※1)化学物質排出移動量届出制度 ※2)「労働安全衛生法 有機溶剤中毒予防規則」の略称 |
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通常の印刷よりもきめの細かい印刷なので、インキ使用量が削減できます。環境にやさしいだけでなく、従来の印刷技術では困難であった、細かな文字や線が再現可能になりました。 |
空気を汚さない non-VOC | 水を汚さない non-Drain | |
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刷版工程 | (1)刷版現像液を使用しない | (1)刷版現像液の廃液が無い |
印刷工程 | (2)印刷湿し水にIPA を使用しない (2)湿し水添加剤にアルコール類を使用しない (5)基準を満たす洗浄剤を使用する |
(4)湿し水ろ過装置を使用して廃液量を削減(廃液は回収・焼却) |
インキ | (3)インキに含まれる揮発性の有機溶剤が1%未満 | |
総量削減 | (6)高精細印刷の技術を採用し、インキ湿し水の使用総量を削減する方策を講じている |
佐川印刷はこの他にも、環境を守るために出来ることを積極的に取り組んでいます。
インキの調色作業時にインキ缶を密閉状態で使用するため、皮張り(酸化皮膜)の無駄を無くすることが出来ます。 また装置にて缶のインキをすべて使い切るため残インキの廃棄も無くなりました。 ※CCM:コンピューターカラーマッチング(特色インキ調色装置) |
印刷機のブランケット洗浄油の再利用を行うため、廃油再生装置を導入し、汚れた洗浄廃油を処理して、くり返し洗浄油として再利用しています。 |